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2014年3月15日土曜日

2014年3月6日木曜日

私のアパートの地下には秘密基地が存在するらしい



とある昼下がり。

私はベッドでうとうとしていてまどろみの中にいた。

それを切り崩すかの様にチャイムがなる。

もーなんだよ、と思いながらインターホンをとる。





「つい先日アパートの回線の工事を行いました。
 その説明をしたいので1、2分お時間頂けないでしょうか」

あれ、そんな工事やったの?
とちょっと疑りながらもドアを開けてしまう。

開けるとそこにはおたふくソースのパッケージに出てきそうな御多福顔の男が立っていた。
首からは"回線工事の説明です"というプレートがぶら下がっていた。

業者「お時間頂きありがとうございます。
   先日ですね、アパートの回線工事を行いまして契約の切替をお願いしております」

私「はぁ……」

業者「今回お持ちした書類に記載して頂くと多分今ご自宅にある
   機器の様なものが届きましてそちらと交換になります」

私「はい……」

業者「回線には帯域幅と言うものがあってですね、今までは1ギガだったものが
   今回の工事によって350ギガになるんです!

私はその説明に少し違和感を感じた。
見た目はか弱い女子(笑)なのだが、実は副業でITエンジニアをやっている。
駆け出しだが。

で、帯域幅って回線速度のことだよな……

あれ、つい先日オフィスの回線契約をしたとき「最速、1ギガ」という文字を見たよな……

てか350ギガって多すぎじゃない?
このアパートの地下には巨大なデータセンターを抱えた秘密基地でもあるの!?

この男への不信感が更に募った。

業者「ちなみに今、回線にお支払いしている方法は何になりますか?」

私「カード払いになります(大嘘、本当はコンビニ支払い)」

業者「かしこいですねーでは、こちらの書類にサインをお願いいたします」

と、差し出された書類を見る。
名前、電話番号、カード番号……え、カード!?

普通玄関口でカード番号書かせないでしょう……!?

私「え、カード番号書くんですか?」

業者「はい」

しれっと答える業者に私は怒りを覚えた。

私「あの、すみません。今手元にカードがないので後日郵送したいので住所教えてもらえますか」

業者「えっ、は、はい……」

明らかに慌てふためく業者。
おたふく顔から汗がにじみでている。

これはもう怪しいこと確定だなと確信する私。

後はいかにこいつの情報を引き出すか。

業者は携帯で自分の会社らしきホームページを出し、住所をメモった。

後になってその時に名刺を要求すれば良かったなと後悔した。

業者「こちらでお願いします…」

私「ありがとうございます。では後日郵送いたしますね」

そのままドアをばたんと締める。

即、大家へ連絡した。
思った通りそんな工事はされていないようだ。

あの場で契約しなくて本当よかった…
ITエンジニアやっててよかった…
おたふく顔がアホでよかった…

世間って怖いと思った一日でした。

皆さんも悪質な業者にはお気をつけ下さい。


茶木